どの適性検査を対策すればいいの?
検査の種類は?出題範囲は?
主な適性検査を解説する適性検査ガイド
ほとんどの企業が採用選考の中に取り入れている適性検査。
新卒採用だけでなく、中途採用、昇給・昇格や正社員登用などの社内試験でも利用されています。
甘く見ていると痛い目に合いますので、しっかりと対策することが必要です。
まずは適性検査の種類や出題範囲などについて知っておきましょう。
目次
自分が受ける適性検査の調べ方
まずは企業のホームページ等で採用情報を確認してみましょう。
募集要項・選考フローの情報の中で、実施する適性検査の種類や受検方式が示されていることがあります。
採用情報の中で「適性検査」とだけある場合は、どの適性検査が実施されるか分かりません。
その場合は、東洋経済新報社の「就職四季報」をチェックしてみましょう。掲載されている企業の適性検査の情報を確認することができます。
ウェブテストの種類の見分け方
ウェブテストの場合は企業から受検案内が送られてきますが、そこに記載されているリンク先のURLでウェブテストの種類を判別できます。
URLがhttps://arorua.net/で始まっていれば、SPIのウェブテストであるWEBテスティングサービスになります。
URLがhttps://web1.e-exams.jp/、https://web2.e-exams.jp/、https://web3.e-exams.jp/、https://tsvs1.e-exams2.jpのいずれかから始まっていれば、玉手箱もしくはWEB-CABになります。ログイン画面のURLにshl.ne.jpが含まれていれば玉手箱、含まれていなければWEB-CABになります。
URLがhttp://assessment.c-personal.com/、http://assessment.e-gitest.com/、https://e-assessment.jpから始まっていれば、TG-WEBになります。
URLがhttps://ef-1g.comで始まっていれば、eF-1Gになります。
SPIの種類と受検方式
SPIは適性検査のシェアナンバーワンであり、現在使用されているのはSPI3というバージョンになります。就活生は必ず一度はお目にかかることになるので、対策は必須です。また、新卒採用だけでなく、中途採用や社内試験でもSPIを導入している企業は多数あります。SPIの主な種類は3種類で、自分がどのタイプを受検することになるかしっかりと把握しておきましょう。
SPI-U:大学新卒向け
SPI-G:中途採用向け
SPI-H:高卒向け
SPIの種類にはこの他に、SPI-Uの短縮版であるSPA-A、研究開発職やエンジニアの採用試験に利用されるSPA-B、一般職や事務職向けのSPI-R,SPI-Nがありますが、主要なものは上記の3種類と考えて結構です。
SPIの受検方法には以下の4つがあります。どの受検方法になるかは応募先企業によって異なります。
テストセンター
SPIを開発するリクルートが用意する会場のパソコンで受検する形式のWeb適性検査です。指定された受検期間の中から都合の良い日程・会場を予約し、受検します。
Webテスティング
インターネット環境に接続できるパソコンから受検する形式のWeb適性検査です。指定された受検期間内で都合の良い時間に自宅や学校などのパソコンから受検します。
ペーパーテスティング
応募先の企業が用意した会場で、マークシートで受検する形式です。
インハウスCBT
応募先の企業に出向いて、企業内のパソコンで受検する形式のWeb適性検査です。
4種類ありますが、インハウスCBTのシェア率はとても低く、ほとんどの企業がテストセンター、Webテスティング、ペーパーテスティングのどれかを採用しています。
SPIの出題範囲
言語分野は国語の検査で、言葉の意味や話の要旨を的確にとらえて理解できる力を測る問題が出題されますので、語彙力や読解力が必要になります。
具体的には、二語の関係、語句の意味、語句の用法、文の並び換え、空欄補充、長文読解などが頻繁に出題されます。
非言語分野は数学の検査で、数的処理や、論理的思考力を測る問題が出題されます。
非言語分野は特に制限時間に追われることになるので、正確・スピーディーな計算はもちろんのこと、素早く解くコツを身につけることも必要になります。
頻出分野は、推論、集合、場合の数、確率、損益算、速度算、図表の読み取り、代金の精算、割合の計算、分割払いなどです。
この他にSPIの英語版であるENGを導入している企業もあります。類義語、対義語、空欄補充、長文読解などが出題されます。
性格検査は、日頃の思考や行動などについての質問から人となりを把握するための検査です。具体的には、物事や人、目標などに対する考え方などについての選択肢が提示され、どれが自分に当てはまるかを選択していきます。
準備は特に必要なく、正直に回答することが大切です。
その他の適性検査
SPI以外の適性検査の中で主要なものを紹介します。
玉手箱
- 導入している企業はSPIに次いで多い
- 同じ形式の問題がひたすら続く
- 正確さとともにスピードが要求される
- 電卓が使用可能
日本SHLが開発した適性検査で、導入企業はSPIに次いで多くなっています。SPIと同様に、言語、非言語(計数)、性格検査がありますが、問題構成がSPIとは異なり、同じ形式の問題がひたすら続くという特徴があります。言語は文章読解問題で、非言語には以下の形式があります。制限時間と問題数でどの形式かを判断することができます。
四則逆算
9分50問で行われます。簡単な一次方程式ですが、短時間で多くの問題を解かなければならないため計算のスピードが要求されます。また、小数・分数・パーセンテージの変換が求められます。
図表の読み取り
15分29問または35分40問で行われます。計算自体は簡単ですが、図表を読み解くスピードが要求され、割合の勉強は必須です。
空欄推測
20分20問または35分35問で行われます。表の空欄を表内の他の数値から法則性を読み取り推測する検査で、玉手箱の非言語(計数)では最難関の問題形式です。
GAB
- 新卒総合職向けのペーパーテスト
- 商社や証券会社などで導入されている
玉手箱と同じく日本SHLが開発した適性検査です。ウェブテストである玉手箱のペーパーテスト版であり、玉手箱と問題形式は似ています。また、C-GABは玉手箱のテストセンター版で、出題内容は玉手箱と同じですが、玉手箱とは異なり電卓が使えません。
CAB
- IT系企業やSE系職種などで導入されている
- 暗号や命令表など問題が特殊
こちらも日本SHL開発のペーパーテストで、ウェブテスト版はWeb-CAB、テストセンター版はC-CABです。出題内容が以下のように特殊なので、対策せずに臨むと面喰うかもしれません。
暗算
簡単な計算問題ですが、スピードが求められます。Web-CABでは暗算ではなく、四則逆算が出題されます。
法則性
図形の法則性を見つけ出す問題で、IQテストのような問題です。
暗号
図形の変化から暗号の内容を解読する問題で、SPIで出題される装置と回路(ブラックボックス)の問題にやや似ています。
命令表
命令表の指示に従って変化させた図形を答える問題です。
TG-WEB
- 導入している企業は少ない
- 従来型と新型がある
- 従来型は難解
ヒューマネージが開発した適性検査です。言語12分12問、計数18分9問であれば従来型、言語7分34問、計数8分36問であれば新型になります。
従来型・言語
文の並べ替えや趣旨把握などの長文読解問題が出題されます。時間が短いので、文章を読みこみすぎると最後まで解き終わりません。
従来型・計数
あまりなじみのない問題が出題されるため難解です。立体の切り口や展開図、一筆書き、サイコロ、暗号などの問題と推論が出題されます。
新型・言語
文章読解数問と語彙問題という構成です。語彙問題は、同義語・対義語、語句やことわざなどの意味が出題され、語彙問題の割合が圧倒的に多いです。
新型・計数
基本的には36問のうち30問が四則逆算、6問が図表の読み取りという構成になっています。難易度は高くありませんが、時間が短いため素早く解く必要があります。
eF-1G
イー・ファルコンが開発した適性検査です。能力検査は約30分で19ブロック114問が出題されます。各ブロックごとに制限時間が設けられており、素早く解く必要があります。
言語分野
言語分野では、語句の用法、四字熟語、長文読解の他、単語の連想、単語の列挙といった特殊な問題が出題されます。
非言語分野
非言語分野では、四則演算の他、記号の数え上げ、数字と図形の対応表、地図の読み取り、積み木や煙突の見え方といった特殊な問題が出題されます。